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痔の市販薬はいつまで使う?痛み・出血が続くときの受診の目安
肛門が痛い、かゆい、排便時に血がつく。そんなとき、市販の痔の薬で症状が和らぐことはあります。ただ、薬が効いたことと、出血や痛みの原因が「痔だ」と分かったことは別です。
使用を続けるか迷ったら、薬を使った日数だけでなく、症状がどう変わったかを見てください。出血を繰り返す、痛みが強くなる、腫れが引かない場合は、薬を追加する前に診察を受けるほうがよいでしょう。
市販薬で様子を見る前に、箱の注意書きを確認
痔の市販薬には軟膏、注入軟膏、坐薬などがあり、成分や使用できる年齢は製品によって異なります。痔核(いぼ痔)に対する薬物療法は痛み・腫れ・出血を和らげますが、慢性的に飛び出す痔核を薬だけで元に戻すことはできません。日本大腸肛門病学会の「肛門疾患・直腸脱診療ガイドライン2020年版」に記載されています。
使用期間も一律ではありません。たとえば、ある市販の注入軟膏の添付文書には「長期連用しないこと」「10日間位使用しても症状がよくならない場合は使用を中止して相談すること」と書かれています。この日数をすべての痔の薬に当てはめず、手元の製品の説明書を確認してください。妊娠中の方、治療中の病気がある方、薬でアレルギーを起こしたことがある方も、使用前に医師や薬剤師などへ相談してください。
薬を使い続けず、受診したい症状
排便のたびに出血する、痛みが続く、肛門の腫れが大きくなる。このような場合は、一度原因を確かめたいところです。痔核と切れ痔では症状の出方が異なり、肛門以外に出血の原因がある場合もあります。
肛門の強い痛みに、赤い腫れや発熱が伴う場合は、早めに受診してください。肛門周囲に膿がたまる「肛門周囲膿瘍」では、このような症状が現れます。痔の塗り薬を続けて様子を見る病気ではありません。
出血が多く、ふらつく、冷や汗が出る、立っていられないといった場合は、通常の外来を待たずに救急受診を検討してください。
便潜血が陽性なら、痔の薬で様子を見ない
健診で便潜血陽性を指摘された方は、痔があっても精密検査について相談してください。痔から出血したのか、大腸のポリープなど別の原因があるのかは、便潜血検査の結果だけでは区別できません。検査をやり直して陰性になっても、最初の陽性に対する精密検査の代わりにはなりません。国立がん研究センターの「大腸がん検診について」も、この点を明記しています。
受診までの間に気をつけたいこと
便が硬い方は、水分や食事を見直し、トイレで強くいきんだり長く座り続けたりしないようにしましょう。排便習慣を整えることは、痔核の治療でも勧められています。一方、生活を見直していても出血や痛みが続くなら、診断を受けるタイミングです。
茅ヶ崎信愛クリニックでは肛門の症状についてご相談いただけます。血便など、大腸側の確認が必要な場合には、大腸内視鏡検査についてもご相談ください。受診の際は、使っている市販薬の名前が分かる箱や写真、健診結果があればお持ちください。
参考資料
日本大腸肛門病学会「肛門疾患・直腸脱診療ガイドライン2020年版」
https://www.coloproctology.gr.jp/uploads/files/journal/koumonshikkan_guideline2020.pdf
PMDA掲載「ボラギノールA注入軟膏」添付文書(使用期間などはこの製品の例)
https://www.info.pmda.go.jp/ogo/J0601003705_05_01
日本大腸肛門病学会「肛門周囲膿瘍・痔瘻とは」
https://www.coloproctology.gr.jp/modules/citizen/index.php?content_id=31
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html
監修 医学博士 小島正之