肛門科の診察は何をする?服装・姿勢・痛みが心配な方へ
肛門の出血や痛みがあっても、診察で何をされるのか分からないと、受診をためらうことがあります。服をどこまで脱ぐのか、どんな姿勢になるのか、痛みはあるのか。症状と同じくらい、診察そのものが気になる方もいるでしょう。
茅ヶ崎信愛クリニックでは、個室で横向きに寝た姿勢で診察し、タオルをかけて必要な部分を確認します。肛門の診察と大腸カメラは別の検査です。受診した方全員に、大腸カメラが必要になるわけではありません。
服を全部脱ぐの?どんな姿勢になる?
肛門の診察のために、服を全部脱ぐ必要はありません。衣服を診察に必要な範囲だけ下げ、ベッドで横向きになります。当院ではタオルをかけ、露出する範囲に配慮して診察します。shinai-cl.com
脱ぎ着しやすい服装だと準備がしやすくなりますが、受診のために特別な服を用意する必要はありません。
姿勢をとるのが難しい、腰や膝が痛い、診察に不安があるといったことも、診察前にお伝えください。

診察室では、出血や痛みの経過を聞きます
出血がある場合は、いつから、どのくらいの頻度で、どのように血がつくのかを伺います。紙につくのか、便の表面につくのか、便に混じるのかも、診察の手がかりになります。
痛みについては、排便するときだけなのか、排便後も続くのか、座っているときにも痛むのかを伝えてください。腫れ、かゆみ、肛門から何か出る感じ、便秘や下痢などの変化も確認します。
うまく説明できなくても構いません。当院の問診票は、書きにくい項目を空欄にして、診察室で直接お話しいただくこともできます。shinai-cl.com
健診で便潜血陽性や貧血を指摘されている方は、結果用紙をお持ちください。服用中の薬を確認するため、お薬手帳も役立ちます。血液を固まりにくくする薬などは、ご自身の判断で中止せず、薬の名前をお知らせください。shinai-cl.com
外側を見る診察と、内側を確認する診察があります
肛門の病気は、症状だけで区別できないことがあります。診察では、外側の様子、触れたときの所見、肛門の内側の様子を組み合わせて判断します。日本大腸肛門病学会の診療ガイドラインでも、視診・指診・肛門鏡などによる診断が示されています。coloproctology.gr.jp
視診は、肛門の外側を見る診察です。皮膚の腫れやただれ、切れ目、痔核の脱出、膿が出る部分などを確認します。
指診は、指で肛門の内側に触れる診察です。しこりや腫れ、押したときの痛みなど、見ただけでは分からない所見を調べます。
肛門鏡は、短い筒状の器具で肛門の内側を観察する検査です。内痔核などの状態を確認します。大腸全体を調べる大腸カメラとは、観察する範囲が異なります。
当院の案内では、肛門の診察は数分程度としています。ただし、症状や必要な確認によって時間は変わります。shinai-cl.com
痛いときは、我慢せずに伝えてください
「痛みがない」と一律にお約束することはできません。もともと痛みのある部分に触れると、つらく感じる場合があります。
受診前から強い痛みがある方は、そのことを診察の前にお知らせください。診察中に痛みが出たときも、我慢せずに伝えてください。
浣腸や下剤を使ってから行く必要はある?
肛門の診察だけであれば、通常、事前の浣腸や食事制限は必要ありません。排便できていないことだけを理由に、受診を延期する必要もありません。検査の予定があり、事前に指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
大腸カメラは準備が異なります。大腸の中を観察できるよう、食事の調整や下剤などの前処置が必要になります。当院では、事前に持病、アレルギー、服用中の薬を確認し、下剤の飲み方を説明しています。shinai-cl.com
痔が見つかっても、大腸の確認が必要になることがあります
肛門鏡で分かるのは、肛門周辺の状態です。大腸全体を確認したことにはなりません。
痔や切れ痔が見つかった場合でも、それだけで出血の原因をすべて説明できるとは限りません。便潜血陽性、繰り返す血便、原因不明の便秘・下痢・腹痛などがある場合は、大腸内視鏡検査を検討します。日本消化器内視鏡学会
当院の大腸カメラの案内でも、貧血、大腸ポリープや大腸がんの既往・家族歴などを、相談の対象として挙げています。必要性は、今回の症状と過去の検査結果などを確認して判断します。shinai-cl.com
病名が分からなくても、相談できます
受診前に「痔なのか、別の病気なのか」を判断する必要はありません。「紙に血がつく」「排便すると痛む」「何か出てくる感じがある」という説明から診察を始められます。
診察の流れが心配な方は、症状と一緒に、不安に感じていることもお伝えください。
出血が多い、ふらつきや冷や汗がある、強い腹痛を伴う場合は、医療機関へご相談ください。shinai-cl.com
出血については、「便に血がついたら痔?様子を見てよい場合と受診の目安」も参考にしてください。排便時の痛みが気になる方には、切れ痔(裂肛)の原因と受診の目安で詳しく説明しています。
根拠資料
- 日本大腸肛門病学会「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版(改訂第2版)」
視診・指診・肛門鏡などによる診断の根拠。 - 日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡検査は、どんな時に行う検査でしょうか?」
血便・便潜血陽性・便通異常などで大腸内視鏡を検討する根拠。 - 町田胃腸病院「肛門科医によるおしり/痔の治療」
通常の肛門診察前の食事制限・浣腸についての医療機関による説明。 - 茅ヶ崎信愛クリニック「肛門外科・痔の治療」
個室、姿勢、タオル、問診票、院長の診療体制の確認資料。 - 茅ヶ崎信愛クリニック「胃カメラ・大腸カメラ」
大腸カメラの対象、事前確認、薬の扱いの確認資料。
監修 医学博士 小島正之