一昨日,シングリックスのワクチン接種を受けられた患者様より,「シングリックスを接種した翌日に39℃の熱が出ました。アレルギーによる反応でしょうか」という問い合わせをいただきました.
発熱だけでアレルギーと断定はできません。
シングリックスでは発熱が10%以上にみられる副反応として公表されています。一方、39℃は「高熱」です。翌日であっても、接種した医療機関などへ当日中に連絡し、年齢、持病、ほかの症状、経過を伝えてください。
翌日の発熱だけなら、典型的なアナフィラキシーとは異なります
アナフィラキシーは、急に起こる重いアレルギー反応です。PMDAの2026年6月版ワクチンガイドでは、シングリックス接種後のアナフィラキシーは通常30分以内に起こることが多いとされています。全身のかゆみ・じんましん、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、ふらつきなどが手がかりです。
このため、「接種翌日に発熱だけが現れた」という経過は、典型的な即時型アナフィラキシーより、ワクチンへの免疫反応に伴う全身性の副反応に合うと考えられます。ただし、これは症状の時期と組み合わせからみた一般的な推定です。診察せずに原因を確定することはできず、感染症など別の原因が重なっている可能性もあります。
39℃なら、元気そうでも当日中に相談を
PMDAの患者向けガイドは、接種後に高熱、けいれん、接種部位の異常な反応、体調の変化がある場合は、すぐに医師の診察を受けるよう案内しています。39℃は「家で数日様子を見るだけ」にせず、接種先または受診可能な医療機関へ当日中に相談する目安です。
救急要請を考える症状
- 息が苦しい、ゼーゼーする、声が出しにくい
- 顔、唇、舌、のどが腫れる
- 全身のじんましんに、ふらつきや意識の変化を伴う
- 意識がもうろうとする、反応がおかしい、けいれんがある
急に悪化している場合は、接種先への電話を待たず119番を検討してください。
当日中に医療機関へ連絡する状態
- 39℃前後の高熱がある
- 水分が十分に取れない、尿が極端に少ない
- 熱やだるさが強くなる、いったん軽くなってから悪化する
- 咳、のどの痛み、嘔吐、下痢など、感染症も疑う症状がある
- 高齢、基礎疾患がある、免疫を抑える治療を受けている
自宅で経過を見る間に確認すること
呼びかけに普段どおり反応できるか、呼吸は苦しくないか、じんましんや腫れがないか、水分を取れているかを確認してください。体温と症状が始まった時刻を記録しておくと、相談時に役立ちます。
解熱鎮痛薬を使えるかは、持病、腎機能・肝機能、胃腸の病気、抗凝固薬などの内服によって判断が変わります。手元の薬を使ってよいか迷う場合は、医師または薬剤師に確認してください。
2回目は自己判断で中止せず、接種前に経過を伝える
1回目のあとに高熱が出た場合、2回目を受けるかどうかは、発熱の程度と持続時間、皮膚・呼吸器症状の有無、ほかの原因がなかったかを確認して判断します。厚生労働省は、過去の予防接種後2日以内に発熱や全身性の発疹などがあった方を、接種前に医師へ相談すべき対象としています。
一方、ワクチン成分によるアナフィラキシー歴がある方は接種できません。発熱だけだったのか、アレルギーを疑う症状もあったのかで対応が違うため、接種日、最高体温、症状の始まりと終わり、服用した薬をメモして受診時に伝えてください。
茅ヶ崎信愛クリニックへ相談するとき
当院公式サイトでは帯状疱疹ワクチンを案内しており、ワクチンは在庫状況により対応できない場合があるため事前確認をお願いしています。
発熱がある方は通常外来へ直接来院せず、発熱外来として電話予約をお取りください。電話番号は 0467-82-2554 です。緊急症状がある場合は、当院への連絡より救急要請を優先してください。
帯状疱疹ワクチンの効果と限界については、公開済みの「シングリックスは認知症や心筋梗塞も防ぐ?」もあわせてご覧ください。
確認した公的資料
- PMDA「シングリックス筋注用 ワクチンガイド」(2026年6月作成、2026年10月11日確認)
- PMDA「ワクチン接種を受ける人へのガイド」(2026年6月更新、2026年10月11日確認)
- 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」(2026年10月11日確認)
- 茅ヶ崎信愛クリニック公式サイト「各種予防接種」(2026年10月11日確認)
- 茅ヶ崎信愛クリニック「受診に際してのお願い」(2026年10月11日確認)
監修 医学博士 小島正之