🫀 Abnormal Liver Function Tests

健診で肝機能異常(肝障害)を
指摘された方へ

AST・ALT・γ-GTPが高いと言われても、ほとんどの方は自覚症状がありません。肝臓は症状が出にくい臓器だからこそ、健診の数値が大切な手がかりになります。結果票をお持ちください。原因を一緒に確かめます。

このページの要点

  • 肝臓は症状が出にくく、健診の数値(AST・ALT・γ-GTP)が最初のサインになることが多い臓器です。
  • 日本肝臓学会は「ALTが30を超えたら、まずかかりつけ医へ」と呼びかけています(奈良宣言2023)。
  • 原因として多くみられるのは脂肪肝ですが、ウイルス性肝炎やお薬の影響などが隠れていることもあります。血液検査と腹部超音波(エコー)で確かめます。
  • 当院では、肝臓・胆のう・膵臓を専門とする医師が、結果票の確認から検査、結果の説明まで対応します。
Concerns

こんな結果・症状はありませんか

ひとつでも当てはまる方は、症状がなくても一度ご相談ください。

健診でAST・ALT・γ-GTPが高いと言われた 結果票に「要再検査」「要精密検査」と書かれていた 脂肪肝と言われたことがある お酒を飲まないのに数値が高い 数値が毎年少しずつ上がっている 体がだるい、疲れが抜けない ご家族に肝臓の病気の方がいる 薬やサプリメントを飲み始めてから数値が上がった
What It Means

肝機能異常(肝障害)とは

肝臓は、栄養をたくわえて必要な形に作り変える、体に不要なものを分解する、脂肪の消化を助ける胆汁を作る、といった働きをしています。少し傷んでも働きを保てる余力があるため、病気がかなり進むまで症状が出ません。「沈黙の臓器」と呼ばれるのはこのためです。

健診の「肝機能」の数値は、肝臓の細胞がどのくらい傷ついているか、胆汁の流れに問題がないかを映しています。数値が基準を超えている状態を、肝機能異常(肝障害、肝機能障害)と呼びます。病名ではなく、「原因を調べる必要があります」というお知らせです。

肝臓の位置と、栄養の貯蔵・解毒・胆汁をつくる働きを示した図
肝臓は右のあばら骨の内側にあり、栄養の貯蔵、不要なものの分解、胆汁づくりを担っています。

AST(GOT)

肝臓のほか、心臓や筋肉にも含まれる酵素です。肝臓の細胞が傷つくと血液中に増えます。激しい運動のあとや、筋肉の病気でも上がることがあります。

ALT(GPT)

主に肝臓に含まれる酵素で、肝臓の状態をより直接に映します。脂肪肝や肝炎で上がりやすい項目です。

γ-GTP(γ-GT)

肝臓と、胆汁の通り道(胆道)に関係する酵素です。飲酒、脂肪肝、胆道の病気、一部のお薬で上がります。

あわせて確認する項目

ALP、ビリルビン、アルブミン、血小板なども見ます。胆汁の流れや、肝臓の余力、硬さの手がかりになります。

How to Read

数値の見方

健診の結果票には、数値とあわせてA〜Dなどの判定が書かれています。下の表は、人間ドックで広く使われている判定区分です。基準は健診機関によって少し異なりますので、お手元の結果票の判定もあわせてご覧ください。

肝機能の判定区分(日本人間ドック・予防医療学会 判定区分 2026年4月1日改定) 単位:U/L
項目A 異常なしB 軽度異常C 要再検査・生活改善D 要精密検査・治療
AST(GOT)30以下31〜3536〜5051以上
ALT(GPT)30以下31〜4041〜5051以上
γ-GTP(γ-GT)50以下51〜8081〜100101以上

判定がBやCでも、原因によっては治療が必要なことがあります。逆に、一時的な上昇で心配のない場合もあります。数値だけで判断せず、原因を確かめることが大切です。

ALTが30を超えたら、まずご相談ください
日本肝臓学会は2023年に「奈良宣言」を発表し、健診などでALTが30を超えていたら、まずかかりつけ医を受診するよう呼びかけています。「少し高いだけ」の段階で原因を確かめておくことが、肝臓の病気を早く見つけることにつながります。
Causes

考えられる主な原因

肝機能の数値が上がる原因はひとつではありません。問診と検査で、ひとつずつ確かめていきます。

脂肪肝(脂肪性肝疾患)

肝臓に脂肪がたまった状態です。食べすぎ、運動不足、肥満、糖尿病、脂質異常症と関係が深く、お酒を飲まない方にも起こります(MASLD と呼ばれます)。

お酒によるもの

飲酒量が多い状態が続くと、脂肪肝から肝炎、肝硬変へ進むことがあります。γ-GTPが上がりやすいのが特徴です。

ウイルス性肝炎(B型・C型)

感染していても気づかないまま過ごしている方がいます。血液検査で調べられ、現在は有効な治療があります。

お薬・サプリメント・健康食品

処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントが原因になることがあります。飲み始めた時期と数値の変化を照らし合わせます。

自己免疫性の病気・胆道の病気

自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、胆石、胆管や膵臓の病気などで数値が上がることがあります。

肝臓以外の原因

ASTは筋肉にも含まれるため、激しい運動や筋肉の病気で上がることがあります。甲状腺の病気が関係することもあります。

健康な肝臓から、脂肪肝、肝炎、肝硬変へと進む様子を示した図
脂肪肝や慢性の肝炎が長く続くと、一部の方で肝臓が硬くなり、肝硬変や肝がんへ進むことがあります。早い段階であれば、生活の見直しや治療で進行を抑えられます。
Examinations

当院で行う検査

血液検査と腹部超音波(エコー)検査を軸に、原因と肝臓の状態を調べます。

詳しい血液検査

肝炎ウイルス(B型・C型)の検査、肝機能の詳しい項目、血糖、脂質、血小板などを調べます。必要に応じて、自己抗体や甲状腺の検査を加えます。

腹部超音波(エコー)検査

肝臓の脂肪のたまり具合、形、しこりの有無、胆石などを院内で確認します。痛みはなく、体への負担の少ない検査です。検査は食事の影響を受けるため、日時と食事については受診の際にご案内します。

肝臓の硬さの目安

年齢、AST、ALT、血小板の値から、肝臓の硬さ(線維化)の目安を計算する方法があります(FIB-4 index)。

専門病院との連携

CT、MRI、肝臓の組織検査など、より詳しい検査や治療が必要な場合は、適切な専門病院をご紹介します。

診察室と超音波検査装置のイラスト
腹部超音波(エコー)検査は院内で行います。お腹にゼリーを塗り、機器を当てて肝臓や胆のうの状態を確認します。(イラストはイメージです)
Flow

受診の流れ

1

結果票の確認と問診

健診の結果票と過去の数値、飲酒の量、体重の変化、服用中のお薬やサプリメントを確認します。

2

血液検査・腹部超音波検査

原因を調べる血液検査と、肝臓の状態を見る超音波検査を行います。

3

結果の説明

原因と現在の肝臓の状態、今後の見通しをご説明します。血液検査の結果は、後日ご説明します。

4

治療・経過観察

原因に応じて、生活の見直し、お薬による治療、定期的な検査を続けます。必要な場合は専門病院へご紹介します。

お持ちいただくもの

  • 健康診断の結果票(過去の分もあれば一緒に)
  • マイナ保険証または資格確認書
  • お薬手帳、飲んでいるお薬・サプリメント・健康食品が分かるもの
When to Hurry

早めに受診したほうがよい場合

次のような症状があるときは、健診の結果を待たずに受診してください
  • 皮膚や白目が黄色い(黄疸)
  • 尿の色が濃い茶色になった、便が白っぽい
  • 強いだるさ、食欲がない、吐き気が続く
  • お腹が張る、足がむくむ
  • 発熱と右上のお腹の痛みがある
意識がぼんやりする、血を吐いた、黒い便が出たという場合は、救急の受診をご検討ください。
Daily Care

生活の中で気をつけること

原因によって対応は変わりますが、脂肪肝やお酒が関係する場合は、生活の見直しがそのまま治療になります。

体重を少しずつ減らす

脂肪肝では、体重を減らすと肝臓の脂肪も減っていきます。急な減量ではなく、数か月かけて少しずつ取り組みます。

食事を見直す

甘い飲み物、間食、夜遅い食事、主食の重ね食べ(ラーメンとご飯など)から見直すと続けやすくなります。

体を動かす

早歩きなどの運動を、無理のない範囲で続けます。体重が変わらなくても、肝臓の脂肪は減ることが分かっています。

お酒との付き合い方

原因がお酒の場合は、量を減らすこと、飲まない日を作ることが治療になります。状態によっては禁酒をおすすめします。

お薬・サプリメント

自己判断で種類を増やしたり中止したりせず、飲んでいるものをすべてお知らせください。

食事の見直し、適度な運動、お酒を控えることを表した3つのイラスト
食事、運動、お酒との付き合い方。この3つの見直しが、脂肪肝の治療の基本です。
Cost

費用について

健診で指摘された異常を調べる検査は、保険診療で受けられます。検査の内容によって金額が変わりますので、詳しくはお問い合わせください。

肝機能の数値、そのままにせずご相談ください

「少し高いだけ」と迷う段階でも構いません。健診の結果票をお持ちのうえ、お電話またはLINEでお気軽にご相談ください。

📞 0467-82-2554 LINEで相談 アクセス・診療時間
FAQ

よくあるご質問

Q自覚症状がまったくありません。それでも受診したほうがよいですか?
はい、一度ご相談ください。肝臓の病気は、かなり進むまで症状が出ないことがほとんどです。症状がないうちに原因を確かめておくことで、対応の選択肢が広がります。
QALTが30台です。基準を少し超えただけでも受診が必要ですか?
日本肝臓学会は、ALTが30を超えていたらまずかかりつけ医を受診するよう呼びかけています(奈良宣言2023)。少し高い程度でも、脂肪肝やウイルス性肝炎が見つかることがあります。一度原因を確認しておくと安心です。
Qお酒はほとんど飲みません。なぜ数値が高いのでしょうか?
お酒を飲まない方でも、食事や体重、糖尿病、脂質異常症などと関係して肝臓に脂肪がたまることがあります。そのほか、ウイルス性肝炎、お薬やサプリメントの影響、自己免疫性の病気なども原因になります。
Qγ-GTPだけが高いと言われました。
γ-GTPは、飲酒、脂肪肝、胆汁の通り道の病気、一部のお薬で上がります。ASTやALTが正常でも、原因を確かめるために血液検査や腹部超音波検査を行うことがあります。
Q再検査で数値が正常に戻っていれば、もう心配ありませんか?
運動、飲酒、かぜ、お薬などで一時的に上がっていた場合は、そのまま様子を見られることがあります。ただし、脂肪肝や慢性の肝炎では数値が上がったり下がったりします。一度は原因と肝臓の状態を確認しておくことをおすすめします。
Q飲んでいる薬やサプリメントは関係ありますか?
関係することがあります。処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、サプリメント、健康食品が原因になることもあります。自己判断で中止せず、飲んでいるものがすべて分かるようにしてお越しください。
Q受診のとき、食事は抜いたほうがよいですか?
腹部超音波検査や、血糖・中性脂肪の検査は食事の影響を受けます。受診の前に食事をとってよいかは、お電話でお問い合わせください。
Q検査には保険が使えますか?
はい。健診で指摘された異常を調べる精密検査は、保険診療となります。
References

参考にした資料

Supervised by

このページの監修者

小島 正之こじま まさゆき

茅ヶ崎信愛クリニック 院長/医学博士
藤田医科大学 総合消化器外科 客員講師・非常勤講師

  • 日本外科学会 専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会 専門医・指導医
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医
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最終更新日:2026年10月11日

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